サン・オブ・ゴッド/うん、まあ定番です
2015.01.13 Tue. 20:45 -edit-

元はアメリカのドラマだったとは観た後に知った。といってもまあ要は聖書の内容だし、イエス・キリストの生涯を描いた作品は過去から最近までに何本もある。当然その何本かは観ているだけに、内容的には良く知ったお話だ。マリアから生まれたイエス・キリストは生まれた時にイスラエルの王となると予言されていた。何でもいいけどアメリカの映画なんで字幕は“イエス”とでるのに、読み方が英語で“ジーザス”になっているのが気になって仕方ない。“ペテロ”は“ピーター”になってるし(苦笑)でまあ10話のドラマの内から5話を選んで再編集しただけあって、序盤はもうポンポン進んでいく。

ドラマでは子供時代とかも描かれたのかもしれないが、あっという間に青年イエスがピーター…じゃなくてペテロを弟子にするシーンに。さて今回イエスを演じたのはモデル出身でポルトガル人のディオゴ・モルガドだが、この彼が偉いことイケメン。ちょっと見ジョシュ・ハートネットに似てるかな?なんて思ったほど。あまりにもイケメン過ぎて「ホット・ジーザス」と呼ばれ批判の対象になったんだそうだ。要するに「イエスはそんなにカッコよくねーよ!」って、それもまたどうなんだよ?と思うんだが(笑)各地を回りながら弟子たちを増やし、奇跡を起こして旅するイエスと使徒たち。

そして生まれ故郷ナザレに戻ってくると人々は彼を讃え大歓迎する。そんなイエスを気に入らないのが伝統的なユダヤ教の連中だ。だから大祭司カイアファは彼のことを排除しようとするんだね。とはいえ、当事ユダヤの地を支配していたのはローマ帝国で、ユダヤ属州総督ピラトは、イエスに限らずカイアファのことも嫌っていた。ま、要するにどっちも気に入らねえ!ってことなんだけど、この後、ピラトの奥さんが夢でイエスが善人だと悟り、更にピラト本人もイエス自身に罪はないということに気付くことになっている。ま、それも全部新約聖書の福音書に忠実なんだけどね。

聖書はともかくドラマとしてはだからその辺りまではそんなに面白いもんでもない。俄然盛り上がってくるのはイエスが民衆に罪人とされ、鞭打たれ、血まみれになりながらゴルゴダの丘に十字架を運ぶという有名なシーンから。このシーンは古今東西様々な作品で描かれて入るけれど、全ての人間の罪を負い歩き続けるイエスの姿ってのは、解っちゃいても胸が熱くなる。別に俺はクリスチャンでもなんでもないんだけど、人間の愚かさ、それは一般大衆も、宗教家も、ローマ帝国の人間も、そして使徒さえも含む人間の罪の重さを見せつけられ、イエスがそれを全て黙って引き受けるからなんだろうと思う。

でもよく考えるとこのイエスの姿って、日本人好みなんじゃないかな?言い訳せずに黙って自分を犠牲にする。もちろん話自体はこの後イエスが復活するって流れなんだけど、そうやって他人のために死ぬ美学みたいなものって日本人の持つ心の中にも似たようなDNAがあるんじゃないかな。前に今回のイエスはイケメン過ぎる!って批判が出たと書いたけど、それはともかくとして、お話そのものは純粋なクリスチャン的にはどうなんだろう?スタンダードなことしか知らない俺からすると、むしろソッチのほうが気になる。やっぱり同じ所で感動を覚えるのかな?とかね。


ストーリー:イスラエルの王になると預言されて生まれた男、イエス・キリスト(ディオゴ・モルガド)。分け隔てすることなく、あらゆる者に深い愛情を注ぎながら教えを説いて回る彼だったが、その一方で弟子に対して挑発的な態度を示したり、怒りに任せて神殿の一部を壊したりと、感情的で人間味にあふれる人物でもあった。やがて彼の教えは人々に広まるようになっていく。しかし、そんなキリストを権力者たちは危険人物と見なして迫害。ついに彼は十字架にはりつけにされてしまう。(シネマトゥデイ)
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