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MOVIE BOYS

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映画が好きです。だから一生懸命観ます。面白いところをみつけて楽しみたいけど、時としてそれが出来ないこともあります。でもそれも映画です。

みんなのアムステルダム国立美術館へ/“みんな”に欠けていた事 

みんなのアムステルダム国立美術館へ200年の歴史を持つアムステルダム国立美術館の全面改修を追ったドキュメンタリー『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』の続編。遅れに遅れた改修作業が終了し、2013年4月に再開するまでの様々な出来事の舞台裏をありのままに映し出している。監督はもちろん変わらずウケ・ホーヘンダイク。アムステルダム市民の市民性や美術館のあり方など、文化施設に対する根本が伺える。

前作『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』を観たのが2010年の8月下旬。その後のニュースで2013年4月に無事再開にこぎつけたことを知っていただけに、待ってましたの作品だった。前作では美術館のどまんなかを通る自転車道の件で市民団体と揉めに揉めて、やっとこさ解決をみるも、建築工事の入札額がべらぼうでこりゃ大変!と大臣まで巻き込んだ大騒ぎに。更にそのさなかに、もうやってらんねえよ!と館長のデ・レーウが辞任するというところで終わっていたわけであります。今回はそんな前回のおさらいをした後、新館長に就任したヴィム・パイベスを中心にしつつ話が進んでいく。まこれにしても学芸員のタコ・ディベッツを交えて一くさりあるんだけどね。
みんなのアムステルダム国立美術館へ01
こんなとんでもない状況でも館長候補で落選してショックとかいう話になるんだから、人間とはしょうもない生き物だと思う。ところがこの新館長ヴィムがまたやってくれる。一旦収まった自転車道の問題を「俺は気に入らねえ!」と蒸し返すんだな。サイクリスト協会やら市議会やら何とか委員会まで巻き込んで再び大騒ぎに…。ヴィムはルーブル級の美術館にして、アムステルダムの美術都市としての地位を固めようという大事業なのに、自転車の通る道幅がとか言ってるのがアンビリーバボー。しかし確かに最初から「自転車はそこを通るもの」という前提は譲らないのだから話にならない。ヴィムは民主主義の悪用だとまで言っていたけれど、そこは俺もそう思う。権利の主張ばかりする欧米の悪い点だ。
みんなのアムステルダム国立美術館へ02
ただそれでも、たかだか1時間半観ている俺でさえウンザリするほど議論を尽くし何とか打開しようとする点はやっぱり民主主義の原点を見るきがする。で、問題はこの問題が最初からある問題であり、新しい問題では無いこと(笑)要するに、神官長に変わってからも山のように問題は噴出する。内装を担当するウィルモットとの意見の相違、間口の改修図面が目論見と違う、果ては展示する大砲の並べ方がおかしいといったことまで。係る人間が多すぎてそれぞれの思惑の違いが物事を余計に複雑にする典型だ。しかしそんな中でたった2人だけ政治的な喧騒から離れている人物のこともカメラは見逃さない。管理人のレオは工事中の10年間、美術館に住んでひび割れ一つに至るまで完璧に管理する。
みんなのアムステルダム国立美術館へ03
当然彼には何の決定権もない。しかし、例えば住み着いてしまった鳥を駆除したりする、そんなことをキッチリしてくれる人間は必ず必要だ。再開が迫り、住んでいた管理人室が撤去される時の寂しそうな顔が印象的だった。もう一人はアジア館部長のメンノ・フィツキだ。彼は前回も登場して、この美術館に金剛力士像を展示しようと尽力していた。今回は2年間の交渉が実り、無事に像が美術館に到着する。彼は言う。「仏像は敬意を払われるべきだ。」人々の目にふれて、人々の敬意を集める存在であるべきだという彼の言葉は、この美術館再開にあたって関係各所の人々に一番欠けていることを言い当てている。仏像だけでなく、名だたる名画や美術品が10年もの長きにわたって人の目に触れることなくひっそりと倉庫に佇む姿からは、一瞬ここが芸術都市であることを疑ってしまう。
みんなのアムステルダム国立美術館へ04
金剛力士像を迎えるにあたって、僧侶たちの読経など、最大限のリスペクトを込めて日本文化を理解し広めようとしてくれるメンノの行動には、日本人として心から感謝の気持ちで一杯になったし感動した。ただ、色々問題はあったにせよようやく開館にこぎ着けた時の関係者の表情はとても感動的だった。道のりが険しければ険しいほど達成した時の喜びは大きいものだが、そういう意味では心からオメデトウを言いたい。物語の間に時々登場しては掲示板に新聞の切り抜きを貼り付ける広報のボリスが、最後に開館の記事を貼りサムアップして去っていく姿が、広報担当としての彼らしい喜びの表現だなと嬉しくなったよ。いつか必ずアムステルダム国立美術館に行って、映画の現物を観てきたい。
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ストーリー:2004年、レンブラントやフェルメールなど数々の傑作を所蔵するアムステルダム国立美術館は創立以来の大改修のため閉館するが、問題続出で工事は何度も変更されてしまい、結果再オープンの予定も立たない事態に。館長や学芸員、建築関係者、そしてアムステルダム市民が時に食い違う意見をぶつけ合いながら、開かれた美術館の完成に向けて奮闘を続けていた。(シネマトゥデイ)



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