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MOVIE BOYS

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映画が好きです。だから一生懸命観ます。面白いところをみつけて楽しみたいけど、時としてそれが出来ないこともあります。でもそれも映画です。

天使の分け前/スコッチと人間はよく似てる? 

天使の分け前『麦の穂をゆらす風』や『エリックを探して』のイギリスの名匠ケン・ローチ監督作品。スコッチ・ウイスキーの故郷、スコットランドを舞台に、社会奉仕活動で出会った4人の若者たちの姿を描いている。主演はイギリスの期待の若手俳優ポール・ブラニガン、共演にジョン・ヘンショーら。第65回カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞した作品でもある。

ケン・ローチ監督らしく人間の温かみを感じる作品だった。天使の分け前「THE ANGELS’ SHARE」とはウイスキー用語。ウイスキーは蒸留後にオークの樽で寝かせるが、1年に2%ずつ水分やアルコール分が蒸発して無くなっていく。それを天使の分け前と呼ぶのだそうだ。もちろん寝かせた分だけ熟成された香りと味は素晴らしく、天使に分け前を差し出す分だけ素晴らしいウイスキーが得られるということになる。昔の人は上手いこと言ったものだと思うよ、ホント。さて、ところが主人公はウイスキーとは何の関係もない青年ロビー。トラブルばかり起こして前科もあり、物語冒頭では裁判にかけられていた。
天使の分け前01
幸い刑務所には行かなくて済んだものの、代わりに300時間の労働奉仕を命じられる。その労働奉仕の現場指導者ハリーとの出会いが彼の人生を大きく変える転機となるんだ。ロビーは恋人レオニーとの間に息子が生まれるんだが、レオニーの親からは毛嫌いされているし、敵対している不良たちからも絡まれる。一度犯罪者になってしまうと社会復帰が凄く難しいのは日本もスコットランドも同じなんだね。まだロンドンのような大都会ならまだしも、結局田舎町では限られた地域の中での人間関係に縛られてしまうワケで…。ところが、ハリーに連れて行かれたウイスキーの会で彼の人生が動き始める。
天使の分け前02
意外にもロビーには鋭敏な嗅覚が備わってたんだね。ウイスキーのテイスティングの才能に目覚めはじめた彼は、ハリーの元で知り合った3人の仲間たちとともにこの停滞した状況から抜け出すためにある計画を立てることに。それはとある蒸留所で見つかった超熟成のウイスキーを盗み出すことだった。一樽でしかもボトル4本分しかないのに100万ポンド(約1億8400万円:2014/12/18現在)もするというから驚きだ。ただ正直言って立ち直るための方法が犯罪ってところにひっかかるっちゃひっかかる。でも俺はここにはローチ監督の皮肉が込められているんじゃないかと思った。
天使の分け前03
前科があるとはいえ、若者たちが立ち直ろうにもそれを難しくする社会環境があり、だから再び犯罪を犯す。そんな中いくら貴重とはいえ“たかがウイスキー”に信じられない値段がつき、それをありがたがるというのはどこかおかしいんじゃないか、そんな想いを感じるんだ。実際ロビーたちはウイスキーを盗み出し、代わりに適当なウイスキーを混ぜておいたのに、それを落札した男はテイスティングで「最高だ!」とご満悦な表情を見せる。物の真の価値なんか解ってない拝金主義をからかったこのシーンは、それまでのロビーのやるせなさを観ていると痛快ですらある。
天使の分け前04
4本の超高級ウイスキー、これをロビーはオークションで負けた買い付け人に売る約束をする。しかし持ち帰る途中に2本を割ってしまうんだ。仕方なく残りを売ることにするんだが、ここで最高に気持ちいいシーンが待っていた。何と4人が世話になったハリーにボトルを1本プレゼントするんだ。ちなみに残りの1本は10万ポンドで売り払う。そしてそのボトルには「天使の分け前」と書いたメモが添えられていた。なんと小粋なことをするんだろう!本来なら20万ポンドになるところを10万ポンド分天使の分け前という訳だ。きっとその分この4人はこれから最高に美味い人間になるに違いないよね。
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ストーリー:いつもケンカばかりしている青年ロビー(ポール・ブラニガン)は、トラブルを起こして警察ざたに。しかし、恋人との間にできた子どもがそろそろ出産時期を迎えることに免じ、刑務所送りの代わりに社会奉仕活動をすることになる。まともな生活を送ろうと改心した過程で指導者のハリー(ジョン・ヘンショウ)に出会い、ウイスキーの奥深さを教えてもらったロビーはその魅力に目覚めていき…。(シネマトゥデイ)



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