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MOVIE BOYS

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映画が好きです。だから一生懸命観ます。面白いところをみつけて楽しみたいけど、時としてそれが出来ないこともあります。でもそれも映画です。

おやすみなさいを言いたくて/答えは…わからない。 

おやすみなさいを言いたくて2013年のモントリオール世界映画祭審査員特別賞受賞作品。世界の紛争地を飛び回る報道写真家の女性と、その家族の間の葛藤を描く人間ドラマだ。主演は『夏時間の庭』『トスカーナの贋作』などのオスカー女優ジュリエット・ビノシュ。またロックバンドU2のドラム、ラリー・マレン・Jrも出演している。監督は実際に報道写真家として活躍したエーリク・ポッペが務める。

世界各地の紛争地を飛び回って、彼の地の現実を世界に向けて発信する報道写真家。この物語の主人公レベッカ(ジュリエット・ビノシュ)はその世界でも名を知られたカメラマンだった。彼女はアフガニスタンの首都カブールで、自爆テロに出向くための女性に密着取材をしていたが、彼女のちょっとしたミスで爆発に巻き込まれ、危うく死にかける。報道カメラマンと言うと大人しい言い方だけど、これはいわゆる戦場カメラマンのことだよね。ロバート・キャパや、日本人なら沢田教一、最近なら亡くなった長井健司さんや、一時テレビに出まくっていた渡部陽一さんあたりが有名だと思う。
おやすみなさいを言いたくて01
その崇高な使命のために命をかけて彼らは写真を撮っているし、そのおかげで、世界の中で光が当たらない場所にも、世界の目が注がれることになる。でも本人はそれでよくても家族の想いはどうなんだ?ってのがこの物語のテーマ。レベッカには夫マーカス、長女ステフ、次女リサがいるのだけれど、当然彼らは心の休まる時がない。特に高校生のステフはそれでなくても多感な年頃だしね。自分の信念に従って生きるのか、しかしそれは家族を傷つけることに他ならない…この苦悩は正直部外者の俺達が解るなんて軽々しくは言えない。結果、レベッカは報道カメラマンを辞めて家族とともに暮らそうと一度は決意する。
おやすみなさいを言いたくて02
しかし周囲はそれを許さない。要するに世界は彼女を必要としていたんだ。これは本当に難しい問題で、家族の中でも例えば夫のマーカスは子どもの気持ちや自分の気持を考えてレベッカに批判的。でもステフは高校でアフリカ・プロジェクトに参加して、しかもレベッカの撮った写真を使って課題を発表しようとする。つまり、母親の仕事の意義はちゃんと理解しているってことだね。理屈と感情は別、要するに「必要なのは間違いないけど何でママがそれをしなきゃいけないの?」ってことだろう。そしてまさにそれが現実となる事件が起こる。レベッカのもとにケニアの難民キャンプ取材の仕事が舞い込んできたんだ。
おやすみなさいを言いたくて03
クライアントは危険は無いという。常識的に考えて難民キャンプの取材に危険がないとは俺には思えないけれど、ステフのたっての希望もあってレベッカは彼女を連れて取材に出ることにする。マーカスも安全は確保されているということで2人のケニア行きを認めることに。ところが、その難民キャンプは突如ゲリラに襲われ大混乱に陥る。ステフを先に逃し現場で撮影を続けるレベッカ。彼女にとっては銃声やゲリラなど怖くても珍しいものじゃないかも知れないが、ステフにとっては恐怖以外の何ものでもない。それも自分だけでなく母も失うかもしれないという二重の恐怖で。
おやすみなさいを言いたくて04
彼女のグチャグチャな心はこれは痛いほどに良く解る。もしレベッカが死んでしまったら、それはとても悲しいけれど、お別れをするしか無いというある種の諦めがつく。しかしその覚悟をして生きていた場合はもの凄く嬉しい反面、彼女が生きている限りまた同じ苦しみを味あわなくてはならないことを意味する。皮肉にも、レベッカがこの時撮った写真を国連に送ることで、即座に警備体制が強化されたりする。正に彼女の仕事の存在理由の一端がそこにあった。当然ステフもそれは理解できたはずだ。最終的にレベッカは仕事を取る。書くと簡単だが、苦しんで苦しんで彼女の導き出した答えだった。
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でももちろんこれが全てにおいて正解だとは言えない。何故か。ラストシークエンスで彼女は再びアフガニスタンの自爆テロの取材に入るが、爆弾を巻かれているのは年端もいかない少女だった。苦しみ抜いて覚悟を決めたはずの彼女がその瞬間に写真も撮れず、母親に戻ってしまうんだ。泣きながらうずくまるレベッカにはそりゃもう掛ける言葉もないよ。ポッペ監督は実際に報道カメラマン出身だけど、もしかしたらこういう映画を作るということは彼の中で導き出した答えの一つなのかもしれないね。
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ストーリー:報道写真家のレベッカ(ジュリエット・ビノシュ)は愛する家族の理解に支えられ、世界各地の紛争地域を取材で飛び回っていた。常に家族と一緒にいられなくても全て順調だと思っていたが、取材中に巻き込まれた事故を心配した家族から危険な場所へは二度と行かないと約束させられる。それをきっかけに、彼女は自らの信念をささげた仕事が家族を苦しめていることに気付き…。(シネマトゥデイ)



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『おやすみなさいを言いたくて』

(原題:Tusen ganger god natt=A Thousand Times Good Night) 「う〜む。 この映画は惜しい」 ----なに、その上から目線の言い方? 「あっ、そうか。 “もったいない”。 いや、これもダメか…。 まあ、話を先に進めるとしよう。 『おやすみなさいを言いたくて』。 これは...

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2015/01/12 14:53

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