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MOVIE BOYS

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映画が好きです。だから一生懸命観ます。面白いところをみつけて楽しみたいけど、時としてそれが出来ないこともあります。でもそれも映画です。

ショート・ターム/優しさの連鎖が人を幸せにする 

ショート・タームロカルノ国際映画祭ほか数々の映画祭で賞を獲得し、かの有名な「ロッテントマト」で満足度99%の実績を記録したヒューマンドラマ。未成年の短期保護施設“ショートターム12”で、施設の子供たちやその子たちをケアするヒロインたちの心情を丁寧に描いている。監督と脚本はデスティン・ダニエル・クレットン。主演はテレビドラマで活躍してきたブリー・ラーソンが務めている。

観終わった後に人の優しさにとても癒やされる作品だ。舞台となっているのは「ショートターム12」というティーンエイジャーたちの短期保護施設。そこは虐待やネグレクト、いじめなどで心に傷を負った子どもたちが原則1年の短期間の間共同生活を送る場所だった。自分たちは愛されていない、自分たちは存在する意味が無い、そんな繊細な子どもたちとの接し方は俺には正直良くわからない。でも大丈夫、そんな人のために物語にはネイトという新人のケア・ワーカーが登場する。自己紹介でいきなり「恵まれない子どもたちのために…」とやって大反発を食らう彼の姿に自分の姿を重ねながら、俺はこの物語を辿って行くことが出来たように思う。
ショート・ターム01
物語の主人公は先輩ケア・ワーカーのグレイス。そしてその恋人メイソンだ。同時に子どもたちの側でもジェイデンという少女が特にフィーチャーされることになる。グレイスとメイソンは若いのに子どもたちの気持ちをよく掴んでいるし、何より言葉は悪いが扱いに慣れていた。物語序盤はそんな彼らの日常が描かれている。ところがある日、グレイスがメイソンの子どもを妊娠していることが発覚し、しかもそのタイミングでジェイデンが父親に虐待されていることに気付くんだ。まあ、簡単に言ってしまえばグレイスもジェイデンと同じ経験をし、しかも妊娠と堕胎をした経験があったんだね。人一倍ジェイデンの気持ちが理解できるからこそグレイスは何としても彼女を救いたかったというワケ。
ショート・ターム02
そして一方では悩み苦しむグレイスを救いたいメイソンがいる。実はメイソンも施設で育ち里親に引き取られた身の上なんだけど、実の両親はいなくとも養父や家族から溢れる愛をもらった彼は、今度は自分と同じ境遇の子たちに愛情を注いでいるんだ。そしてもちろんそれはグレイスに対しても同じこと。つまり…人が悩み苦しむのは別に子どもでも大人でも同じなんだよね。悩みを正直に吐露できたらそりゃ楽だけれど、そんな簡単に割り切れないのも人間。施設に入った経験がない俺達でもそんな経験は誰しもしているだろうし、そんな時に少しでも自分を理解しようとしてくれる人がそばに居てくれることの心強さは理解できると思う。
ショート・ターム03
要するに観ていて一番感じたのは「一人で苦しまなくてもいいんだよ、君の周りには必ず君を理解してくれる人がいるんだから」って事。苦しくて苦しくて仕方ないグレイスが、それでもジェイデンを救おうとする、その優しさは観ている俺も苦しくて哀しくて、嬉しかった。父親に虐待されているのにショートターム12の所長はその父のもとにジェイデンを返してしまう。もちろんジェイデン本人が虐待されている事実を訴えなければ他人が保護することは出来ないのは解る。所長はグレイスに言うんだ。「私は君が生まれる前から20年以上この仕事をしている。でも全部の子どもを救うことは出来ない。」と。これは全く正しい。ただし政治家がそう言うならば。
ショート・ターム04
でも少なくとも最前線にいる大人たちがこれは言ってはダメだよね。全部は救えないくても、せめて自分の手の届く範囲だけは何とかしようと全力を傾けて欲しい。このショートタームという短期施設は18歳になったら出て行かなくてはいけない。物語でもマーカスという少年が巣立っていく。問題を抱えた子だったけれど、彼はジェイデンの誕生日を祝うために施設の仲間たちにカードを書かせるような本当に根の優しい子だった。彼の卒業後の話を楽しそうにするメイソンたちの笑顔からは心からの喜びが伝わってくる。結局人を想う優しさの連鎖が人を幸せにするんじゃないか、そんな風に思えた。
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ストーリー:問題を抱える子供のためのグループホーム「ショートターム12」で働くグレイス(ブリー・ラーソン)。グレイスは、新入りのジェイデン(ケイトリン・デヴァー)という少女を担当することになる。グレイスは施設の同僚メイソン(ジョン・ギャラガー・Jr)と付き合っていたが、ある日、妊娠していることが判明する。そんな中、グレイスはジェイデンが父親に虐待されていたことに気付き…。(シネマトゥデイ)



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コメント

こんばんわ

そうそう、ネイトと同じ立場でこの映画を見れるからこそ、ラストのメイソンの話が物凄く嬉しいものが何重にも重なってやってきたように感じるんですよね。

それにしても冒頭のサミーといい、中盤のジェイデンといい、喚く子供たちに対して安全上腕を掴むということはあっても、無言で隣に座り続けるってそう簡単には出来ないことですよね。ここにもショート・ターム12で働く大人たちの優しさを感じましたよ。

URL | にゃむばなな #-

2014/12/19 23:03 * edit *

ですねぇ。よりそうってことの意味を思い知らされたように思いました。時には千の言葉より黙って側に座ってくれることがどれだけ励ましになるか。過剰ではない本当の優しさを観た思いです。

URL | Caine #5spKqTaY

2014/12/20 00:11 * edit *

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映画「ショート・ターム」@よみうりホール

 今回私はディスティン・クレットン監督の舞台挨拶付きの試写会に参加した。舞台挨拶と言っても配給会社の女性社長が司会を務めるフレンドリーな物で、イメージソング「dawn」を歌う関取 花さんのライブも併せて行われた。

新・辛口映画館

2014/12/10 23:29

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