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MOVIE BOYS

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映画が好きです。だから一生懸命観ます。面白いところをみつけて楽しみたいけど、時としてそれが出来ないこともあります。でもそれも映画です。

天才スピヴェット/あの親にしてこの子あり 

天才スピヴェット『アメリ』『ミックマック』のジャン=ピエール・ジュネ監督がライフ・ラーセンの小説を実写映画化。わずか10才の天才少年スピヴェットが権威ある学術賞・ベアード賞を受賞したことから、授賞式会場にたった独り旅立つ…。主人公スピヴェットを演じるのは本作で長編映画デビューを果たしたカイル・キャットレット。共演にヘレナ・ボナム=カーター、ロバート・メイレット、ジュディ・デイヴィスらが出演している。

ジャン=ピエール・ジュネ監督監督の初の3D映画は飛び出す実写絵本だった。独特のユーモアセンスとともに、ちょっとほっこりするようなテイストは健在。わずか10才の少年T.S.スピヴェットはモンタナ州のど田舎でカウボーイの父親テカセム、昆虫の専門家の母親クレア博士、目指せアイドルの姉グレーシーそして弟のレイトンと生活していた。この家族のキャラクターがジュネ監督らしい実に個性的な面々なのがいい。スピヴェットは確かに発明に明け暮れる天才なんだけど、驚くべきことに演じているカイル・キャレットも天才に相応しい12歳の少年なんだね。
天才スピヴェット01
ロシア語や北京語など6ヶ国語を操り、3年連続で総合格闘技の世界チャンピオンなんだそうな。しかも俳優の才能まであるってんだから全くこれから大人になってどんな人間になるのやら、末恐ろしいわ。ちなみにT.S.スピヴェットのSはスパロウのSなんだが、ヘレナ・ボナム=カーターの側でスパロウとか言われたら勝手にジョニー・デップを連想してしまうんだが…(笑)でまあ物語では、このスピヴェット少年の発明が最も優れた発明家に贈られるベアード賞を受賞する。彼は10歳であることを隠してモンタナのど田舎から、ワシントンDCまで独り貨物列車に乗り込み旅立つんだ。
天才スピヴェット02
旅の途中でスピヴェットの抱える心の苦悩が明らかになっていく。それは弟レイトンを銃の暴発事故で亡くしてしまったこと、しかもその責任が自分にあり、そのせいで家族が上手く行かなくなってしまったってことだった。10才の少年らしいナイーブな部分と、ものすごく論理的な部分が同居しているスピヴェットは彼自身や彼の旅を観ているだけで面白い。これは見守るというより最初に書いたようにスピヴェットの大冒険という絵本を読むかのようなんだ。描かれる全てが10才の少年の目線からだから、ピュアな心の目で映しだされる大人の姿がとてもユニークなんだよね。
天才スピヴェット03
例えば警察官から逃げるシーンではまるで相手が化け物のように見えるし、ヒッチハイクで乗せてくれた場末のトラック運転手は意外にもナイスガイに見える。もっともそういった面白さ以外にもほんとうの意味でギャグ的に笑える部分もあるのがジュネ監督のいいところ。文章では書きづらいけれど、思わず声に出して笑ってしまったりしたよ。授賞式の会場でのスピーチ、スピヴェットは自分の素の心をさらけ出す。それはとても大切な告白だったはずなんだけど、それすらも商売に使おうとする大人たち…。戸惑いながら、しかし家出して来てしまったスピヴェットはそれに従うしか無い。
天才スピヴェット04
流されざるを得ない部分は10才の子どもなんだよね。だから出演したTVショーに母親のクレア博士が登場した時は嬉しかったな。スピヴェットの言葉をことごとく遮ってきた司会者の言葉を逆に遮って言いたいことを言う彼女の姿に、母親としての強さを観た気がするし、最後にはその司会者を殴り倒したテカセムに父親の力強さを感じだよ。同時にスピヴェットの行動と頭脳を観ていたら、このお父さんとお母さんの子だなとつくづく納得だった。頭が良いからこそ孤独を感じていたスピヴェットだけど、家族はちゃんと家族だった。それが解る最後のシークエンスに思わず心が和んだよ。

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ストーリー:天才だが、それゆえに周囲との溝を感じる10歳の少年T・S・スピヴェット(カイル・キャトレット)。そんな彼にスミソニアン学術協会から、最も優れた発明家に授けられるベアード賞受賞を知らせる電話が。授賞式に出席するため、彼はたった1人で家のあるモンタナからワシントンへ旅立つことに。さまざまな出来事や人々と出会いながら、カウボーイの父親、昆虫博士の母親、アイドルを目指している姉、事故によってこの世を去った弟へ思いをはせるスピヴェット。やがて彼はワシントンに到着し、授賞式に臨む。(シネマトゥデイ)



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ジャンル: 映画

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コメント

ポートレイトのように

結局、家族ものとして帰結していくの
けど「ちょっと違う」のは
スピヴェットが、もうこどもじゃなくて
大人の心を持っちゃってたって事
子供が道中で成長するのじゃなく
子供に出て行かれた家族たちが成長する話
ひとりひとりそれぞれのキャラクターが
本当に作り込まれてたわ~
良い人も悪い人も本当に愛嬌あって
出て来る人達が皆して「変で濃い」のに違和感が無いし
家族映画としてちゃんと出来てたわ~

URL | q 変な家族たちの愛 #-

2014/12/01 20:40 * edit *

俺はスピヴェットも旅を通じて大人の心を持ったんじゃないかと思うんだよね。大人の心というか、大人の汚さというかさ(苦笑)
出てくる人が「変で濃い」のは確かに!ジュネ監督のキャラクターっていつもそうだけど、このキャラクターたちが結構クセになるんだよねぇw

URL | Caine #5spKqTaY

2014/12/01 21:56 * edit *

不器用な愛情表現

Caineさん☆
なかなかほっこりする良い映画でしたね~
天才なのにやっぱり子供なところが、本当に愛らしくて。
家族全員愛情表現が下手くそなのだけど、だんだんとトランクから宝物と思い込んでいた物を少しずつ捨てていって、代わりに愛をいっぱい詰めて帰れたところが、とても良かったわ☆

URL | ノルウェーまだ~む #gVQMq6Z2

2014/12/02 10:08 * edit *

個人的にあの列車の上の車のなかで看板のフリするところがツボでねーwイカンと思いながらマジでゲラゲラ声出して笑ってしまいました^^;
やっぱ家族は家族だよねぇ~。

URL | Caine #5spKqTaY

2014/12/02 20:41 * edit *

こんばんわ

母親のビンタと父親のグーパンチ。
親の愛をああいう形で描いてくるところがいいですよね。
スピヴェットくんが大人顔負けの天才だけに、親の愛を言葉ではなく行動で、しかも凄く分かり易い行動で表したのは面白かったです。

URL | にゃむばなな #-

2014/12/02 23:09 * edit *

スピヴェットに言うのではないけれど、お前のことをこれだけ愛しているし、お前を守るよっていってるんですよね。天才だろうがそうじゃなかろうが親にとっては子どもは子ども。ああいうところが心に素直に伝わるのが素晴らしいです^^

URL | Caine #5spKqTaY

2014/12/03 00:18 * edit *

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評価:★★★★【4点】(F) 風変わりな家族だってとても温かいんです。

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