俺物語!!/漫画原作らしさにニンマリ
2015.11.15 Sun. 18:36 -edit-

■キャラに合った見事なキャスティング
とにかく楽しい。単純に楽しく笑って、胸が痛くなる青春ラブコメディだった。ドラマ「天皇の料理番」の時からこの撮影までに30kgも体重を増量して臨んだという、鈴木亮平のデ・ニーロアプローチで話題の作品だったが、何でも原作では「2m・120kg・15歳」という設定なんだそうだ。流石にそれは無理はあるにせよ、共演していた坂口健太郎が華奢なイケメンだということと、ヒロイン役の永野芽郁がモデルでこれまた華奢ということもあって、十分にその狙いは表現できていた。凄いモミアゲに極太眉毛、太い声、それにもかかわらず純粋で優しい男・それが主人公・剛田猛男である。鈴木亮平の素の顔自体が、そもそも優しい顔立ちなだけにピッタリだ。そんな純粋な男に惹かれるヒロイン・大和凛子もまた猛男に劣らず純粋な少女。演じる永野芽郁がまた小動物を思わせるような愛らしさを見せてくれるだけに、観ていて素直に応援したくなるカップルなのが嬉しい。これはもうキャスティングがお見事としか言いようがない。
■恋の展開にコメディ満載
実はお話自体はそれほど珍しくはない。幼なじみで高校に入っても同じクラスになった猛男と砂川誠(坂口健太郎)。ある日チンピラに絡まれている凛子を猛男が助けるのだが、ここで2人は一目惚れする。ところが、とんだ勘違いと思い込みで猛男は“凛子は誠のことが好き”だと思い込んでしまう。凛子は凛子で“猛男は自分のことを好きではない”と思い込むというスレ違いが続くことになる。さあ、一体この2人の恋はどんなふうに成就するのでしょう!というのがこの作品だ。スタンダードな少女漫画的展開では、彼女のことを好きになる別の男が出てきたり、もっとキュンキュンとするような想いのやり取りがあったりするものだがこの作品は、そこを上手くコメディでコーティングして楽しませてくれる。柔道部の助っ人となった猛男が、凛子のことを「好きだああああああ!」と叫びながら相手をぶん投げるシーンなどは、わざわざ同じネタを3度も被せる念のいりようだ。通常ならやり過ぎドン引きしてしまうような笑いのシーンなのに、あまりにバカバカしくて笑ってしまう。
■漫画的面白さと現実的な恋物語の融合
結局のところ漫画はあくまで漫画。現実ではないフィクションの世界であり、だからこそ成立する描写がある。そしてその象徴が剛田猛男という主人公そのものだ。現実的にはこんな奴はいるわけがない。一方の凛子の存在は、好きな男の子に片思いする女の子のアイコンそのものだ。若干ディフォルメは入っているし、そもそも最近の女子高生はこんな子おらんやろ!という部分はあるにせよ、誰が観てもその気持には共感できる。この作品の面白さ、楽しさはそこにある、つまり漫画的面白さと現実的な恋物語の融合がとても上手いのだ。ただ一点、少し難を言わせてもらうならそれは誠の行動だ。誠は凛子が猛男のことを好きなのをとっくに気付いている。というか途中で凛子はハッキリと猛男が好きだということで誠に相談までしている。更に誠は猛男が勘違いしていることにも気付いている。なのに何故それを早く言ってやらないのだろう。いや、最終的には言ってやるし、それが物語のクライマックスになっている。
猛男と誠は親友を超えた親友といっていい。それは幼い頃からの積み重ねで見ているものにはよく伝わってくる。だからこそ、何で言わないのだろう?何か理由があるのか?例えば誠も凛子が好きだった?とか或いは女性に興味を示さない誠は実はLGBTで猛男のことが好きなのか?なんてことまで考えてしまった。エンドロールで猛男と凛子のデートの様子が出てくるが、恋愛成就した2人の姿はとても微笑ましく楽しく見守れる。そこまで観ると細かいツッコミはまあいいかという気になってしまうのも事実だ。そうそう、予告編で出てきた爆笑シーンがまさかその後に出てくるとは思いもしなかったよ(笑)
◯公式サイト
◯シネマトゥデイ
とにかく楽しい。単純に楽しく笑って、胸が痛くなる青春ラブコメディだった。ドラマ「天皇の料理番」の時からこの撮影までに30kgも体重を増量して臨んだという、鈴木亮平のデ・ニーロアプローチで話題の作品だったが、何でも原作では「2m・120kg・15歳」という設定なんだそうだ。流石にそれは無理はあるにせよ、共演していた坂口健太郎が華奢なイケメンだということと、ヒロイン役の永野芽郁がモデルでこれまた華奢ということもあって、十分にその狙いは表現できていた。凄いモミアゲに極太眉毛、太い声、それにもかかわらず純粋で優しい男・それが主人公・剛田猛男である。鈴木亮平の素の顔自体が、そもそも優しい顔立ちなだけにピッタリだ。そんな純粋な男に惹かれるヒロイン・大和凛子もまた猛男に劣らず純粋な少女。演じる永野芽郁がまた小動物を思わせるような愛らしさを見せてくれるだけに、観ていて素直に応援したくなるカップルなのが嬉しい。これはもうキャスティングがお見事としか言いようがない。
■恋の展開にコメディ満載
実はお話自体はそれほど珍しくはない。幼なじみで高校に入っても同じクラスになった猛男と砂川誠(坂口健太郎)。ある日チンピラに絡まれている凛子を猛男が助けるのだが、ここで2人は一目惚れする。ところが、とんだ勘違いと思い込みで猛男は“凛子は誠のことが好き”だと思い込んでしまう。凛子は凛子で“猛男は自分のことを好きではない”と思い込むというスレ違いが続くことになる。さあ、一体この2人の恋はどんなふうに成就するのでしょう!というのがこの作品だ。スタンダードな少女漫画的展開では、彼女のことを好きになる別の男が出てきたり、もっとキュンキュンとするような想いのやり取りがあったりするものだがこの作品は、そこを上手くコメディでコーティングして楽しませてくれる。柔道部の助っ人となった猛男が、凛子のことを「好きだああああああ!」と叫びながら相手をぶん投げるシーンなどは、わざわざ同じネタを3度も被せる念のいりようだ。通常ならやり過ぎドン引きしてしまうような笑いのシーンなのに、あまりにバカバカしくて笑ってしまう。
■漫画的面白さと現実的な恋物語の融合
結局のところ漫画はあくまで漫画。現実ではないフィクションの世界であり、だからこそ成立する描写がある。そしてその象徴が剛田猛男という主人公そのものだ。現実的にはこんな奴はいるわけがない。一方の凛子の存在は、好きな男の子に片思いする女の子のアイコンそのものだ。若干ディフォルメは入っているし、そもそも最近の女子高生はこんな子おらんやろ!という部分はあるにせよ、誰が観てもその気持には共感できる。この作品の面白さ、楽しさはそこにある、つまり漫画的面白さと現実的な恋物語の融合がとても上手いのだ。ただ一点、少し難を言わせてもらうならそれは誠の行動だ。誠は凛子が猛男のことを好きなのをとっくに気付いている。というか途中で凛子はハッキリと猛男が好きだということで誠に相談までしている。更に誠は猛男が勘違いしていることにも気付いている。なのに何故それを早く言ってやらないのだろう。いや、最終的には言ってやるし、それが物語のクライマックスになっている。
猛男と誠は親友を超えた親友といっていい。それは幼い頃からの積み重ねで見ているものにはよく伝わってくる。だからこそ、何で言わないのだろう?何か理由があるのか?例えば誠も凛子が好きだった?とか或いは女性に興味を示さない誠は実はLGBTで猛男のことが好きなのか?なんてことまで考えてしまった。エンドロールで猛男と凛子のデートの様子が出てくるが、恋愛成就した2人の姿はとても微笑ましく楽しく見守れる。そこまで観ると細かいツッコミはまあいいかという気になってしまうのも事実だ。そうそう、予告編で出てきた爆笑シーンがまさかその後に出てくるとは思いもしなかったよ(笑)
◯公式サイト
◯シネマトゥデイ
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テーマ: 映画レビュー
ジャンル: 映画
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