04« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»06

MOVIE BOYS

  // 

映画が好きです。だから一生懸命観ます。面白いところをみつけて楽しみたいけど、時としてそれが出来ないこともあります。でもそれも映画です。

ソロモンの偽証 後篇・裁判/人は皆罪を犯している 

ソロモンの偽証 後篇・裁判宮部みゆきのミステリー小説を実写映画化した後編。前編ではとある中学の男子生徒が学校から転落死をしたことをきっかけにその真実の追求を学生自身がしようと立ち上がるのだが、この後編ではまさにその学校内裁判の様子が描かれる。出演者はもちろん前作同様、藤野涼子ら若手と佐々木蔵之介、永作博美らベテラン勢。監督も同様に成島出が務める。意外な真実に目が離せない。

中学生・柏木卓也の校舎からの飛び降り事件、その真相を明らかにすべく藤野涼子を中心に学校内裁判を行うことが決まったのが前編。この後編ではいよいよその裁判が開始された。色々問題はあったものの容疑者とされた大出俊次や、告発文を書いた三宅樹理らも裁判に出廷することになる。ただ実はそこでなされる証言に新鮮味はいものが多かったのがちょっと残念。津崎校長や、元担任の森内先生、三宅、大出…彼らの証言は既に前編で話しとして出てきたもので、彼らのその時の気持ちも含めて「うん、そうだったよね。」と思う程度のものだ。裁判と名がつくシーンとしてはこれは物足りない。
ソロモンの偽証 後篇・裁判01
新事実も判明するのだが、学校内裁判とはいえもう少し緻密な証拠を積み上げて、証言を裏付けたり崩したりするシーンが欲しかった、個人的には。もっともこの作品は裁判映画ではなく、人間として根源的な部分を描き出した、やや大げさに言うならば人間の闇を描いた作品だけに目的はそこにはなかったのだろう。人は誰しも罪を犯す、そして犯してしまった罪は自ら背負い生きていかなくてはならない。子供も大人も含めてこの裁判に関わる人々全てが、裁判の過程で明らかにされていく人の気持や事実を通じてそれに気付く、その様子を描きたかったのだと思う。
ソロモンの偽証 後篇・裁判02
さすがだと感じたのは、直接事件に関わった子供たちも去ることながら周りの大人達。特に藤野涼子の両親を演じた佐々木蔵之介と夏川結衣、三宅樹理の母親を演じた永作博美の演技が素晴らしかった。とても対照的ではあるが、子供のことを真剣に考えるという意味では似通ったこの親たちは、事件に関わっていく過程で、自分たちが育てた子供たちの変化を感じ取り、事件の事実を受け止める。それをセリフで、表情で表現するその圧倒的な説得力は、既に子供ではない親世代の我々には特に響いた。もちろん前編同様、藤野涼子や前田航基らを中心とした子役たちの演技も見事だというのは言うまでもない。
ソロモンの偽証 後篇・裁判03
ちなみに個人的にちょっと気に入った登場人物がいる、たいていこの手の学園モノではやや孤立的な存在になるクラスの秀才で、判事を務めた井上康夫と演じた西村成忠だ。彼とても学生の一人として裁判を通じて皆と同じモノを得たとは思うのだが、秀才らしい物言いや、芯の強さ、プライドをあくまでも崩さないなかで彼なりに変わっていく姿がいい。もう一つちなみに、市川実和子が演じるキ○ガ○女の森内先生に対する犯罪や、その旦那の裏表がとる行為も、サブストーリーではあるが罪を背負うという意味で繋がっているのが面白い。(もうちょっと説明は欲しかったけれど)
ソロモンの偽証 後篇・裁判04
それにしてもやはりこれは長くても前後編続けて上映するべきだった。本作の後編を一番おもしろく見る方法は間違いなく前編から続けてみることである。一度盛り上がった気持ちをリセットして、思い出しながら後編をみるのとは全く違うハズだ。誤解はして欲しくないが、とてもおもしろい作品であったと思う。ただ、無用の時間的余裕は前編で起こった内容を反芻し考え、勝手に推測してしまう余裕を与えてしまったため、真相が語られる時に、そこにある種の心理的ショックアブソーバーが無意識に出来てしまったと思うのだ。「いやぁ…これあいつが結局キモじゃない?…ってやっぱりね。」的な。
公式サイトへ
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←Click Pleae♪
ストーリー:被告人大出俊次(清水尋也)の出廷拒否により校内裁判の開廷が危ぶまれる中、神原和彦(板垣瑞生)は大出の出廷に全力を尽くす。同様に藤野涼子(藤野涼子)も浅井松子(富田望生)の死後、沈黙を続ける三宅樹理(石井杏奈)に証人として校内裁判に出廷するよう呼び掛ける。涼子は柏木卓也(望月歩)が亡くなった晩、卓也の自宅に公衆電話から4回の電話があったと知り…。(シネマトゥデイ)



関連記事

テーマ: 映画レビュー

ジャンル: 映画

ドラマ(日)  /  tb: 4  /  cm: 6  /  △top

コメント

こんばんわ

この作品を一番楽しめる手法はやはり前後篇を一気に見ることでしょうね。
ただその場合、この作品の印象がどこまで長い期間心に残るかと考えると、2部作にした方がメリットがあったのは事実。

しかしやっぱり前篇の素晴らしさを思い出すと、これはイッキに見たあとに、神原和彦の視点でもう一度別作品として振り返るなんてことも良かったかも知れませんね。

URL | にゃむばなな #-

2015/04/12 23:17 * edit *

▶にゃむばななさん

なんというか、余計な疑念というか、思考を挟まないで最後までイッキに観たかったというのが私の想いなんですね。特に我々はブログで書いたりするぶん、どうしても作品を思い返しながら、色々あれこれ考えてしまうじゃないですか(笑)他の方の話をきいたりね。きっとそういうことしないで最後まで観るとまた違うのだろうなって思ったんです。
神原視点で振り返るというのは本当に面白そう。それこそ別作品で神原を主人公にして描いても面白いんじゃないでしょうか。

URL | Caine #5spKqTaY

2015/04/12 23:49 * edit *

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| #

2015/04/13 20:56 * edit *

▶佐藤秀さん

いえいえとんでもないです。わざわざありがとうございます。
なんだかFC2にしてから入らないという方が多くて…。こちらは特に何もしてないんですがどうもダメみたいです。

URL | Caine #5spKqTaY

2015/04/13 22:11 * edit *

そのうえ映画泥棒

Caineさん☆
私は前編を試写で観たので、余計に間があいてしまった上に、後編のはじめにある前篇のおさらいのあとの「映画泥棒」ですっかり萎えちゃいました(涙)
でもおさらいのときから子供たちの苦しさが伝わってきて、胸が締め付けられるようで、ずーっと泣いちゃいましたょ。

URL | ノルウェーまだ~む #gVQMq6Z2

2015/04/16 17:21 * edit *

▶まだ~む

あれはびっくりしたわ~。え?始まったんじゃないの?ってね(苦笑)
子供たちの苦しさって普通我々大人には解らないこと多いよね。「は?それがなんで?」みたいな。親だってそうなんだもん、先生なんて基本的には他人なわけで。そういう意味では、大人に対しての作品なのかもしれないなって思います。

URL | Caine #5spKqTaY

2015/04/20 01:15 * edit *

△top

コメントの投稿

Secret

△top

トラックバック

トラックバックURL
→http://lovecinemas.blog100.fc2.com/tb.php/113-1757b699
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

劇場鑑賞「ソロモンの偽証 後篇・裁判」

裁判、閉廷… 詳細レビューはφ(.. ) http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201504110000/ 【楽天ブックスならいつでも送料無料】【コミック・書籍全巻セット】【3倍】宮部みゆき「ソロモ...価格:5,000円(税込、送料込)

日々“是”精進! ver.F

2015/04/12 13:43

ソロモンの偽証 後篇・裁判

中学生の中学生による自分と大人達のための裁判。  

Akira's VOICE

2015/04/12 15:47

『ソロモンの偽証 後篇・裁判』

中途半端なヤツだけが裁かれる。 ただこの校内裁判で裁かれることはない。 なぜにこの作品を前篇・後篇と分けたのか。それは1ヶ月という時間を置いてじっくりと心に落とし込むに ...

こねたみっくす

2015/04/12 23:26

ソロモンの偽証 後篇・裁判

判決よりも大事な事がある!

ハリウッド映画 LOVE

2015/04/19 16:46

△top