トライブって“族”って意味らしい。まあ観た感じ“族”というか“ストリートギャング”というか“チーマー”というか。主人公の一人メラ(鈴木亮平)はブクロWU-RONZのヘッドで、ムサシノSARUの中心人物・海(YOUNG DAIS)を目の敵にしている。最初はこの2人の争いかと思いきや話はどんどん広がっていったのには少々驚いた。因みに俺は音楽には全く興味がない人間なので、ましてやラップなんぞ正直どうでもいい。でも本職ミュージシャンじゃない俳優の素人感ありありのラップを聞くとちょっとガッカリする。YOUNG DAISなんて初耳だけど、やっぱりプロって全然違うね。

原作未読のせいか、話の展開がやけにざっくりとしているというか、悪く言うと雑に感じた。各地にトライブがありながら、それ同士の関わりはなんにも説明がないし。そもそもトーキョーって言っても広いんだけど、この6チームしか存在しないのかな?チームが支配している街は混沌としているけれど、それ以外は普通なんだろうか。それぞれを結構ヤバイ奴らが治めてるんだけど、それ同士の戦争とかはないのかね。何故か突然竹内力扮するブッバが実はトーキョーを支配しようとしているって話になるんだが、そのブッバすらも逆らえない大司祭がいて…。展開に説明がないから世界観が読みにくいったらない。

ブクロのメラも気がついたらブッバの下になってるし。物語では大司祭が、娘がトーキョーにいるから探せとブッバに命令し、彼がトーキョーを支配しようと動き出す。一応WARUとかいう軍団が動いてはいるんだけれど、大司祭が送り込んだ亀吉&ジャダキンスという恐ろしく強い連中も独自に動いていたりする。結果この双方も闘ったりするんだから意味がわからん。もっともそれ以上にわからんのが、6つのトライブが急に一致団結してブッバに対抗しよう!とか始めちゃうこと。熾烈な戦争を繰り返してきていただとか、元々仲が良かっただとか、それぞれの関係性が語られてないのに突然一致団結されても…。

なんかとりあえずラップのリズムに乗せて適当に構成してるだけで、ストーリーとしてはもうグダグダとしか言いようがないわ。というわけで必然的に見どころは撮影当時19歳の清野菜名演じるスンミぐらい。吉瀬美智子を若くしたような美人さんは、大胆におっぱい見せて揉まれちゃったりする。
『海を感じる時』の市川由衣も出演してるけれど、個人的には彼女のおっぱいの方がいいな。白いデカパンはいて回し蹴りでパンチラどころかパンモロなのは
『愛のむきだし』の満島ひかりそのもの。でもこの程度のアクションは大したことないというか遅い。なんか相手の動きを待ってるというか、呼吸が合ってない。どうも園子温監督はアクションの演出があまり上手くないと思う。

とりあえずメラが海のことを付け狙っているのに理由をハッキリ言わないままぼかしてるから、どうせくだらないことなんだろうなと思っていたら、本気でしょーもないことだったんで呆れたけれど、そのメラと海を演じた鈴木亮平とYOUNG DAISのなりきり演技だけは観ていてしっくりきた。いや、正確に言えば各トライブのヘッドで本物のラッパーの方々は雰囲気があって良かったな。逆に恐らく自前のブルース・リーの衣装着たしょこたんには一番ドン引き。あれはないだろう…。ここ最近の園子温作品の中では一番つまらなかったな。

←Click Pleae♪ストーリー:数多くのトライブ(族)がひしめき、それぞれが自分たちの暮らす街を暴力で牛耳る近未来のトーキョー。ブクロWU-RONZを率いるメラ(鈴木亮平)は、何かと敵視していたムサシノSARUのメンバーである海(YOUNG DAIS)と衝突する。そして、それが引き金となって、シンヂュクHANDS、ブッバ家や怪しげな者たちを巻き込んだ一大抗争が勃発してしまう。トーキョーの各地で暴力が吹き荒れるが、その一方でさまざまな愛と友情をめぐるドラマも交錯していく。(シネマトゥデイ)
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