『美女と野獣』自体はお話も読んだし、ディズニーのアニメも見たけれど、それももう随分昔のことだ。今ではうろ覚えのストーリーを見ながら思い出していく作業はそれはそれで中々面白かった。父がバラを盗んだが故に、自らの身を野獣に捧げる事になった美女ベル、彼女が野獣の内面に徐々に気付き彼を愛するようになっていくという真実の愛の物語…そうそう、人は外見じゃわからないんだよ!なんてことを子供の頃にこれで教わったような記憶がある。しかし…ヴァンサン・カッセルって王子様ってよりおじさまでしょ(笑)
もうまさに典型的なお話の流れなんで、そこは可もなく不可もなく、観ていて今更何でこの作品を実写映画にしたんだろう?なんて疑問が頭をよぎってしまった。ヴァンサン・カッセルとレア・セドゥなんて俺も大好きだし、実際素晴らしい俳優なんだけども、彼らを起用する意味があったのかな。さしもの彼らでも、ここまでかっちりキャラが固まった古典ではその個性というか、味のようなものを出す隙間が無かったように思う。いや、正確に言えばレアに関してはその巨乳に目が釘付けだったけど…。
昔ながらのコルセットにギュッと押された柔らかそうなデコルテは実にエロくてそこだけ観ていたい感じすらある。それはさておき、個人的にはベルの愛情がちょっと唐突な気がしてならない。野獣の内面といっても、それは彼の過去の過ちであり、彼は呪いを解くために愛されたかったんだよね。そうしてもらえるような行動の描写が殆ど見られないのにベルは彼を愛してしまう。何かきっかけみたいなものだけでも与えてくれたらそんなところに引っかからずに受け止められたのだけれど。俳優の活かし方、脚本共に今ひとつ惜しい作品だった。

←Click Pleae♪ストーリー:バラを盗んだ代償に命をささげるよう言われた父親の代わりに、若く美しい娘ベル(レア・セドゥ)が野獣(ヴァンサン・カッセル)の住む城に連れていかれてしまう。彼女は命さえ投げ出す覚悟で城に出向いたものの、毎晩同じ時間に野獣と夕食を取る以外何の制約も受けなかった。自由に城内を移動する彼女は、恐ろしい外見の野獣の意外な過去に気付く。(シネマトゥデイ)
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